【ついに解決】成人式の振袖は購入派？レンタル派？どちらが正解か

成人式で着る振袖を購入するか、レンタルにするか、これは皆さんの永遠の悩みだと思います。この手の内容についての記事は色々あるかと思いますが、ほとんどの記事は着物の大手チェーン店を運営する企業が書いている記事が多かったりします。

そのため、今回は『金沢の呉服屋として65年以上』地道に振袖の販売・レンタルを行ってきた私たちが、どういう方が購入に向いているのか、レンタルに向いているのか、大手チェーン店の企業とは別の角度で、皆さんの悩みをこの記事で解決したいと思いますので、ぜひ最後まで読んでみてください！

振袖を購入するか、レンタルするかを決める前に、各メリットデメリットがあるので、その点をまずは説明していきます！

振袖をレンタルする『メリット』

レンタルするメリットは大きく分けて4つありますので、まずはメリットについて説明します。

購入よりもリーズナブル

レンタルにすることによる1番のメリットは、間違いなく値段がリーズナブルな点です。

振袖の購入となると、通常のものでも30〜40万円はするケースが多く、加賀友禅などのブランド物になると80〜100万円するものもありますが、レンタルとなると10〜25万円程度で振袖を着られます。

加賀友禅などのブランド物でも40〜60万円ほどでレンタル可能ですので、値段をできる限り安く済ませたい場合は、レンタル一択になるかと思います！

クリーニングやメンテナンスする手間が省ける

2つ目のメリットは、メンテナンスの手間がかからない点です。

購入すると、着用後に毎回クリーニングしたり、シミ抜きなど振袖のメンテナンスをするケースが多くなりますが、レンタルであれば振袖を着た後に店舗へ返すだけで大丈夫なので、全く手間がかからない点も大きなメリットです！

自宅に保管しておく必要がない

3つ目のメリットは、振袖の保管場所に困らない点です。

皆さんも祖父母の家や嫁入り道具として有名な昔ながらの桐タンスはご存知ですか？

振袖などの着物は、湿度が高いとシミになりやすく、日に当たると日焼けもしやすいため、湿度が低く日に当たらないよう洋服よりも気を付けて保管する必要もあります。

そのため、透湿性が高く通気性にも優れている桐タンスで着物を保管するという風習が昔からあるほどです。

また、管理ができていないと追加でメンテナンス費用も発生してしまうため、自宅保存しなくて良い点はメリットとなります！

今流行りの最新トレンドの振袖を選べる

最後のメリットは、流行りの柄やデザインの振袖を選べる点です！

洋服にトレンドがあるように、少なからず振袖にもどの色やデザインが今の流行りというものは存在します。

特に女優さんや有名人の方が着用したモデルなどになると、非常に人気も高くなりやすく、相場の10倍近くまで値段が変動することもしばしばです。（笑）

そういったトレンドの振袖を都度着用したい、となるとどうしても購入では値段が張ってしまう可能性が高いため、レンタルの方がメリットは大きいです！

振袖をレンタルする『デメリット』

これまで、レンタルのメリットを様々な観点から説明してきましたが、ここからはデメリットを4つの点から説明していきます！

複数回着る場合は値段が高くつく

1つ目のデメリットは、複数回切る場合、値段が購入よりも高くつく点です。

先ほども記載したように、レンタルの相場は10〜25万円程度、購入の場合は、35〜40万円程度になることが多い中、3,4回と振袖をレンタルする場合は、15万の物でも45万、60万円になっていく計算になります。

その場合は、購入していた方が総じて安く着られる、ということになってしまいます。。。

実際に振袖を着る機会というのは、成人式と卒業式はほとんどの方が着られ、その他に家族や友人知人の結婚式などで着用するケースもありますので、平均して5回前後は着用すると言われています！

そのため、少しでも振袖を着る機会があると、レンタルより購入の方が安くなるため、この点は慎重に判断する必要があります！

周りと柄やデザインが被ることが多い

2つ目のデメリットは、柄やデザインが周りと被ってしまう点です。

大前提、レンタルの振袖の大半は、インクジェットプリントと呼ばれる染め方で生産されています。インクジェットプリントというのは、簡単に言うと振袖の生地にインクを使って柄やデザインを印刷しているようなものです。

振袖や着物の染め方の違いは、別の記事で紹介しているので、こちらをあわせて読んでみてください！

生地に印刷をするのであれば、柄やデザインを1つずつ印刷するより、何千枚、何万枚とまとめて印刷した方が圧倒的な効率的です。

そのため、レンタルの振袖は人気なものになればなるほど、どうしても柄やデザインが被ってしまいますので、特別な日だからこそ自分らしさを振袖で出したいと言う人には、レンタルは向かないかもしれません！

着たい柄やデザイン、サイズが無い

3つ目のデメリットは、先ほどと若干似ていますが、自分が着たい柄やデザイン、サイズが無いと言う点です。

可愛い柄や有名なデザインなど、人気の振袖になればなるほど、レンタルしたいという人も多くなります。

また、身長や体重など体型が様々な中、レンタルの振袖が全員の体型をカバーできるわけでは無く、サイズによってはそもそも生産されていない、と言うケースもあります。

そのため、レンタル品としての在庫が無く、着れないと言う方が結構な割合でいらっしゃいます。。

そのような方々は、仕方なく違う柄やデザインの振袖を選ばざるおえない状況になってしまいます。

また、1度レンタル出来た振袖をもう1回着たいとなっても、次のレンタルのタイミングでは借りられないケースもあります！

そうなると、また違う柄やデザインを選ばなければいけなくなりますので、面倒が増えてしまうので、自分が着たい柄やデザイン、サイズが無いというのはデメリットになります。

振袖自体の品質が悪いケースがある

最後4つ目のデメリットは、振袖の品質が悪いケースがある、という点です。

もちろん、品質の良い振袖をレンタル品として貸し出している店舗も数多くありますが、レンタルを求める方の多くが『値段を安く抑えたい』という方だと思います。

そうなってくると、店舗側としても安くレンタルしてもらうために、振袖のクオリティを落として安価な値段でレンタルするケースもあります。

例えば、皆さんがレンタカーをする際に、多少傷が入っている車もレンタルするケースがあるかと思いますが、車の新車購入する時に傷があるケースはほとんどないと思います。

これは、振袖のレンタルでも同様で、どうしても生地やメンテナンスの観点から、品質が悪い商品をレンタルしてしまうケースもあるので、注意が必要です！

振袖を購入する『メリット』

それでは、ここからは『購入』する際のメリットについて説明していきます！

何度着ても値段が変わらない

まず1つ目のメリットは、当たり前ですが購入した振袖を何回着ても値段は追加でかからない、という点です。

先ほどレンタルのパートで記載しましたが、振袖を着用する機会は、5回前後あると言われています。そのため、本当に自分が気に入った振袖があれば、購入した方が5回だけではなく、何十回と着られるので、購入した方が断然お買い得です！

振袖は、10万円単位の比較的高い買い物に分類されるため、今の値段をできる限り安くしよう、という気持ちは非常に分かります！

ただ、今後同じような機会が何回もあるのか、という観点で購入するか、レンタルするかを検討されるもの良いかと思います！

自分に合ったサイズに仕立てられる

2つ目のメリットは、自分の体型に合わせて振袖を仕立てられる点です。

振袖を購入した方は、皆さん仕立てと呼ばれる、いわばオーダーメイドに近い形で、全体のサイズを調整するものを行います。

そのため、サイズが合わないから好きな柄やデザインの振袖が選べない、というレンタルにあったデメリットは、購入時には存在しません！

また実は、1回自分の体型に合わせて仕立てを行ったとしても、また仕立て直しをすることで身長、体重が全然違う方に合わせることも可能なんです！

元々仕立てを行う際に、生地を切断したりするわけでは無く、よく学生服で行われるような生地と生地の縫い合わせを行って、サイズを調整します。

そのため、縫い合わせを変えるだけで別の人の体型に合わせることができます。

成人式の思い出が形として残せる

3つ目のメリットは、思い出が形として残る点です。

振袖を一度購入してしまえば、売らない限り自分の手元には残り続けますが、レンタルだと手元には残りません。

特に購入する際は、両親や祖父母が娘のために、思い出に残る振袖を買ってあげたいという方が多いため、物としてよりも思い出として購入される方が多い傾向にあります。

手元にあれば、振袖を見たり着たりするタイミングで、みんなの思い出も一緒に思い出す事が出来るため、形として残すというメリットがあります！

また、最近では、小学校のランドセルといったものをリメイクして、新しい革製品になる、という形の残し方もあるように、手元にあれば何か他の日用品にリメイクする事も可能になります！

参考：着物アロハシャツオーダーメイド

姉妹や娘、孫まで受け継ぐことができる

最後4つ目のメリットは、姉妹や娘、孫にまで振袖を受け継ぐ事が出来る点です。

昔の花嫁道具として、先ほどは桐ダンスを例に挙げましたが、着物も花嫁道具として両親から娘に受け継がれていた物になります。

実は、加賀友禅や京友禅といった、有名な着物になれば『100年先でも着られる』ものがほとんどなんです！

そのため、一度購入すれば、姉妹や孫娘といった自分以外の人にも追加での費用無く貸し借りできるので、メリットになりやすいです。

実際に、現在『ママ振り』と呼ばれるお母さんが着ていた振袖を娘が着用し、帯や小物で娘さんの好みのデザインにしていく、というスタイルも流行っています！

振袖を購入する『デメリット』

購入に対してのメリットの次は、デメリットについても4つにまとめて説明していきます！

レンタルより値段が高くなる

まず1つ目は、購入になるとレンタルよりも値段が高くなる点です。

先ほど最終的に見ればお得になると説明しましたが、やはり最初に支払う値段が高くなってしまうのは、1番のデメリットになります。。

元々、振袖や着物が大好きという方は別ですが、成人式まで着物自体を着る機会は、現代では浴衣くらいでほとんどなくなってしまいました。

そのため、馴染みのないものにお金を支払うのは抵抗があるのは当然なので、デメリットになります。

クリーニングやメンテナンスが面倒

2つ目のデメリットは、メンテナンスが面倒な点です。

振袖を着ると、シワが出来ていたり、何か飲み物をこぼしてしまうケースがありますが、洋服のように洗濯機で丸洗い出来ないため、クリーニングに出す必要があります。

また、再度振袖を着るまでの期間が長くなってしまうと、保存状態によってはシミが出来ていたり、カビが生えてしまっている場合もありますので、振袖を着る前にメンテナンスする必要があり、追加での費用が発生することになってしまいます。

このメンテナンスは、レンタルの場合だと発生しないので、購入した時のデメリットになります。

自宅に保管する必要がある

3つ目のデメリットは、自宅で保存する必要がある点です。

これは、2つ目のメンテナンスの面と似ている部分になりますが、メンテナンスが発生しないように、湿気が少なく、日に当たらないところに保管しておく必要があるため、ただ押入れに入れているだけだと、保存状態が不十分となる可能性が高いです。

そうなると、しっかりと場所を確保し保管する必要が出てくるため、面倒になってしまいます。

好みが変わる可能性がある

最後のデメリットは、着る方の好みが年齢と共に変化してしまう可能性がある点です。

振袖は、基本的に時代に囚われない柄やデザインが多い傾向にはありますが、色の好みは変わる事が往々にしてあるため、意外とネックになってくることも多いです。。

振袖の基本的な色は、赤・青・黄・緑・紫あたりになってきますが、特に緑や紫といった色は好みが分かれやすいため、選ぶ時には今後も着ることがあるか、を重視して選ぶことをおすすめします！

ここまで様々な内容を説明してきましたが、1つひとつを自分に当てはめて、自分でどっちが良いか選ぶのは、骨が折れると思います。（笑）

そのため、私たちが65年以上販売とレンタルをしてきた中で、こういう方は購入した方が良い、レンタルした方が良い、という内容をまとめましたので、次から紹介していきます！

レンタルした方が良い方

結論、振袖をレンタルした方が良い方は、こういう方だと考えています！

これらの内容が2,3個当てはまる人は、レンタルの方が良いでしょう。

ただ、実は『メンテナンスが面倒』『自宅保存が必要』という点は、レンタルをした方が良い理由にはならない事が多いんです！

なぜかというと、例えば私たちのサービスでは、『シミ抜きが10年間無料』というサービスがあったりします。

濱上呉服店公式HP｜お手入れ方法

そうなると通常の洋服と同じように保管していて、シミやシワが振袖に出来ていたとしても、メンテナンスする費用や作業は、お店に任せる事が出来ますので、特に気にする必要が無くなったりもします。

そのため、今挙げた5個を踏まえてレンタルが良いかご判断いただければと思います！

購入した方が良い方

では次に、振袖を購入した方が良い方について、まとめます！

これらの内容が2個以上当てはまる人は、レンタルよりも購入の方が良いでしょう！

一番上の『成人式や卒業式以外も着るか』については、実際に手元に振袖が無いと、着たいかどうかは分からないと思いますので、この項目を除いて2個以上当てはまる場合は、購入することをおすすめします。

まとめ

今回詳しく購入とレンタルのメリットデメリットについて説明しましたが、とはいえ、最終的に選ばれるのは皆様の判断になります！

ただ、実際に店舗に行く前にどういう振袖が良いか、レンタルか購入か、などを全て決めてから店舗にいくことは難しいですよね。。。

その上で店舗に行くと、様々な話をされてその場で判断を迫られることもしばしばです。。。

特に振袖などの普段から馴染みのない商品になると、店員からの『今だけのキャンペーン』『在庫が1点しかない』といった形で、押し売りが多くなってしまうこともございます。

でも、値段が高い商品だからこそ、できれば違う会社で、尚且つ、2,3店舗見てから判断することをおすすめしています！

私たちのように地域に根差した呉服店の仕事は、皆様の判断を間違えないように一緒になって考えて、最良の判断をしていただくサポートをすることだと思って、毎日お客様と向き合っておりますので、何か気になることや分からないことがあれば是非一度お気軽にご連絡ください！