京友禅も加賀友禅も宮崎友禅斎が基礎を作りましたが、時代の変遷とともにそれぞれの特徴が生まれました。
加賀友禅は落ち着きのある写実的な草花模様を中心とした絵画調の柄であるのに対し、京友禅は流麗な集合配列模様を特徴としています。
それは加賀の武家文化、京の公家文化それぞれの社会背景に支えられたことによると考えられます。
絵画調の柄を特徴とする加賀友禅は、写実性を強めるため、白上がりの線の太し細しの変化が装飾効果をも高めています。
ボカシや虫喰いの技法もよく使われています。京友禅が内側から外側にボカシてあるのに対し、加賀友禅では逆に外側から内側に向かってボカシてあるのが一般的な特徴といえます。