振袖を着た女性
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振袖の種類


大振袖・中振袖・小振袖はそれぞれ以下のように使い分けるのが良いとされています。

大振袖
紋を5つ付け(五ツ紋)で全面に柄をあしらった(絵羽模様〔えばもよう〕)物が正式とされていますが、現在では紋は省略されている事が多いです。昔は結婚式で花嫁が着用することが主でしたが、近年では成人式に大振袖が多く用いられます。

中振袖
結婚式の出席や成人式などの正式な儀式の場に着用します。特に結婚式などは、黒っぽい服を着ている人が多いので、華やかさを足す意味でも好まれます。大振袖に次ぐ礼装で、袖丈の長さは2尺(76cm)前後です。昔は成人式などの儀式には中振袖が一般的でしたが、現在は女性の身長が昔と比べ格段に伸びた事などから市販されている振袖のほとんどが大振袖だといわれます。

小振袖
パーティーなど、気軽に礼装を楽しみたい場合に着用します。あまり堅苦しくなく振袖を楽しめます。小振袖は一般に市販されておらず、袖丈の寸法を指定して仕立ててもらいます。袖丈が短いので、可愛らしいイメージになります。観劇やお茶会など、気軽なお出かけ・パーティーに用いられます。

絞振袖 きぬたや藤娘について

1. 紋り技法
代表的な絞り技法
本疋田しまり
指先と絹糸のみで括る高度な技法です。
絞り目を斜めに45度に粒を揃え、一粒につき12回括ります。
総疋田着尺の場合、一反を絞り上げるのに一年以上かかります。
半加工
本疋田しまり
完成
本疋田しまり
人目しぼり
本疋田しぼりと同じく、指先と絹糸のみで括る高度な技法ですが、一粒につき2回括ります。
本疋田しぼりが面を表現するのに対し、人目しぼりは線を表現するのに用いられます。
半加工
人目しぼり
完成
人目しぼり
横引きしぼり
別名針疋田とも言い、木製の絞り台に専用の針を設置して、その針に山の部分を引っ掛け、生地を折り綿糸で2回巻きます。
4回巻いた物を四ツ巻しぼりと言います。
半加工
横引きしぼり
完成
横引きしぼり
杢目しぼり
針と綿糸を使い、縫い締める上げる技法です。
縫い方によって様々な表現をすることができます。
半加工
杢目しぼり
完成
杢目しぼり
竜巻しぼり
手筋絞りの1種で、柳絞りの中と蜘蛛絞りを併用したものです。
柳絞りは下絵を使わず、指先の感覚だけで生地をたたみながら糸を巻いていくと技術で、習得が難しく、技術者も減少しています。
半加工
竜巻しぼり
完成
竜巻しぼり
帽丁しぼり
図柄の裾部分に平縫いをし、糸を引き締め根元を糸で巻き、その上からビニールで包み込み、糸で巻き上げ締める技法です。
絞る部分の大きさによって、大帽子・中帽子・小帽子に分けられます。
半加工
帽丁しぼり
完成
帽丁しぼり
桶しぼり
底のない桶の中に染めない部分の生地を入れ、染める部分は外に出して、蓋をロープで堅く締めて、桶ごと染料に中に浸し染める方法。
手間と力と高度なテクニックが必要とされます。
半加工
桶しぼり
完成
桶しぼり
2. 絞りができるまで
図案
通常は図案家の描いた図案を買って商品にしますが、きぬたやでは社長でもあり作家の伊藤嘉秋の手によってすべて生み出されています。
図案
型彫り
原寸人の下図案に合わせて型紙に各しぼりの種類が判るように色々な形の彫刻刀で彫っていきます。
この段階で目が揃っていないと、絞ったときにそのまま不揃いになってしまうので、慎重さを求められる作業です。
型彫り
絵刷り
白生地に型紙を置き、青花の液を刷毛に染み込ませ型紙の図案を写し込ませます。これが糸を括るときの目印になります。
(青花…露草から抽出した染液)
絵刷り
絞り加工
絵刷りされた生地の図柄にしたがって、絞ります。
(絞る川頁番は疋田・人目・帽子の糸入れ・四ツ巻・帽子のビニール)
絞り加工
染色
藤娘製品の全ては作家伊藤嘉秋の手によって配色が決められ弟子達が様々に染めていきます。
その技法は沢山あり、複雑に組み合わされて一枚一枚完成されていきます。
写真は古典的技法の一つである「桶染絞り」です。
染色
蒸し
100℃以上の蒸気をあてますが、染色した色を定着させ更に発色に深みを与える為には必要な過程です。
蒸し
ほどき
以上の丁程を経てここで絞った糸をほどきます。
生地を破いたりしないように細心の注意をはらい行います。
ほどき
手湯のし
絞ることで縮んだ布に蒸気をあてて伸ばしますが、絞りの風合いを残しながら生地幅を整えます。
絞り布は一つ一つ個性があり、その違いによって微妙に整え方を合わせるには手湯のししかありません。
手湯のし
3. 作家 伊藤嘉秋のこだわり
プラス2の美力
通常1尺の反物の生地幅に45の粒を絞り込む技法を「正45立」と言いますが、きぬたやの生地は1尺5分のため、更に2粒足し、47粒を絞り込んでいます。
この2粒によって経済効率が悪くなるが、それ以上にごまかすことを許さない物創りへのこだわりがみえます。

地落ちの間合い
絞りで模様と模様を分ける無地の空問を地落ちといいます。
これは技術と技術を分けるということでもあり、互いに究まっていて、存在を譲り合おうとしない模様と技術に地落ちで鮮やかな一線を入れるという行為は、本物の絞りといつも真直ぐに対時しょうとする作家の呼吸を具現している。
この地落ちの間隔を極限まで追求し、柄の広がりと躍動感を作り出しています。

染の交差
先人の遺した絞りにはない色づくりの白由さ、巧みさは、見る人の心に情景をほうふつさせ、まとう人のからだで風景を展開する。
様々な色の物語がそこにはある。
果実を香らせる淡い貨色、若草を思い出させる浅葱、静かに枯れた秋野を模した黄土色。時にはモノトーンで。

時を絞る
絞りには歴史がある・絞りの括りに時間を要する・その時代にあったものを絞る、この3点を念頭に、現代のシーンの中で最も美しく着る人の“今”を演出するために作品を制作しています。
4. 藤娘しぼりの特徴
藤娘しぼりは図案からすべてがオリジナルで、親子3代にわたって着ていただく着物作りに励んでいます。
生地
他では【できない絞り・思いつかない絞り】の追求。
過去にとらわれず、新しい物づくりへの挑戦。着物では取得が難しいと言われている製造特許を7件取得。
代表的なものとして本場大島絞り・小紋バック振袖に活かされています。

本疋田絞りの追求
絹糸で丹念に絞る疋田絞りは普通一粒に8回括るところを12回括ることによって、一粒一粒の白場が多く中心の点が針のようにとがっています。
江戸期に存在したという本疋田60立を十数年の歳月を掛け絞り職人の養成に成功しました。

色彩
藤娘しぼりは手差しで水ぼかしという特殊技法を用い、優雅でやさしい色を表理しています。
作家伊藤嘉秋は弟子達と共に日々研究を重ね、理想を追求しつづけています。
5. 絞りのお手入れetc...
着るとき、扱うときはできるだけ汚さないように注意し、着装後は陰干しを行い、柔らかい布で包み、箱に入れるか、タンスの上段へ、他の品物に抑しつぶされないようにして下さい。
ときどき空気の乾いた日に取り…して風通しを行って下さい。
藤娘しぼりは、すぐれた披術で通常の絞りよりしっかりと絞ってあるため、過度の湿気を受けると若干の縮みを生じることもあります。その際は再湯のしをして下さい。

水気にご注意!
絞り製品は水分に対しては弱く、水分を含むと絞り粒がくずれてしまいます。また色がおちることもありますので、防水加工・防汚加工をお勧めします。
絞りは正式な場に着ていけないと言われたりしますが、これは全くの誤解です。もしそうであれば、未婚女性の第一礼装である振袖に絞りは存在していません。
賛沢をしてはいけないということが、着てはいけないと誤って伝えられてしまったのです。
また、絞りは太って見えると言われますが、しっかりした牛地を使用しているため裏打ち不要なので、すっきりと見えます。軽くて、シワになりにくく、披露宴・パーティー・お茶席など幅広く着て頂けます。

絞振袖 おぼろ染めについて

引染
鹿の毛で作られた刷毛を使い、生地をぼかし染めます。
色のかさなりやぼかし加減によって、柔らかなグラデーションが生まれます。
引染
友禅
特殊な染料と型紙を使い、友禅染めの技法を用いて生地を染めます。
色の重なり会う部分が、おぼろ染め 独特の変化を起こします。
友禅
糸入れ
針に糸を通し、細かい柄の縁をすくうように縫っていく行程が「糸入れ」です。
なめらかな曲線を縫い上げるには集中力が求められます。
糸入れ
絞り
柄のひとうひとつを丹念に糸を引締めて結び、膨大な時間を費やして絞り上げていきます。
熟練した職人だけが成し得る高度な技です。
絞り
糸解き
「蒸し」の行程を経て、糸を解いていきます。
複雑に絡み合う絞り糸を指先で探りながら、生地を切らないよう丹念に解いていきます。
糸解き
刺繍
相良刺繍をはじめとする特殊な刺繍を柄に合わせて使い分け、染めと絞りが描き出す色、柄に、より美しい 立体感を演出します。
刺繍
振袖特典

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